田中選手は女子1500メートルの6日の予選で、ほかの選手との接触が考慮されたことによる救済措置で9日の準決勝に進んでいました。
準決勝では各組の上位6着までが決勝に進めることになっていて、2組の田中選手は速いペースで進んだレースで集団の後方につけて走りました。
ラスト1周、残り400メートルの時点では8番目につけていましたが、その後ほかの選手に抜かれて11着でフィニッシュし決勝に進めませんでした。
ただ、タイムは東京オリンピックでマークしたみずからの日本記録に0秒51に迫る3分59秒70の好記録でした。
田中「新たな気持ちを作れたレースだった」
田中希実選手は救済措置で進んだ準決勝を振り返り「自分だけの走りではなく、みんなの走りだということを表現するために走ることができた。神様のいたずらでもう1回走る機会をいただいた中で、目に見える形で決勝進出ができなかったことはすごく残念だが、『いつかもう1回立ってみせる』という新たな気持ちを作れたレースだった」と話しました。
東京大会以来の3分59秒台で走ったことについては「もう一度、4分を切るということが日本人にも可能だということをこの場を借りて見せることができた。タイムだけではない本当に中身の詰まったレースだった。上位の選手にぶら下がった中でタイムを出すことができたことは自分の中で大きな一歩だったと思う」と手応えを語りました。
そのうえで2回目のオリンピックを振り返り「苦しい時間が思ったよりも長い大会になってしまった。自分のやってきたことを5000メートルで出すことができなかった。ただ、それは私にとっては必要な時間や試練であって、ただ苦しいだけではなく、私に与えられるべくして与えられたことが幸せだった。そういった時間を味わえたことがとてもうれしい」と話していました。
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