ヒトが泳いで安全な水質なのか――。
水中の大腸菌のデータなどが取り沙汰され、水質を巡る議論が噴出したままのパリ・オリンピックのセーヌ川を会場とした遠泳系競技。
男女ともに1・5キロを泳ぐトライアスロンが終了し、オープンウオーター(OWS)女子が日本時間8日午後、行われる。
マラソンスイミングとも呼ばれるこの種目。選手たちは男女ともに10キロを泳ぐ。
OWSに先駆けてレースが行われたトライアスロンは降雨の影響で、男女各レースの本番前の練習は中止され、男子の試合スケジュールは1日延期。男女が7月31日の同日開催となるなど波乱含みの展開となった。
試合後、レース前に日本発の乳酸菌飲料を飲んだことなどを明かした、という海外勢の話題などが国際ニュースにもなった。
セーヌ川を泳いだ後に体調が悪化した選手のニュースも話題になったが、その原因は判然としていない。
男女の各レース後の8月5日に行われたトライアスロン混合リレーでは、当初出場を想定していた選手が体調不良となり棄権に追い込まれたチームもあった。
セーヌ川で五輪競技が実施されるのは今回が初めてではない。1900年のパリ大会でも競泳競技が実施された。ただ、水質悪化が深刻化。1923年からはセーヌ川での遊泳そのものが禁止された。
近年、セーヌ川では水質悪化の原因は主に雨に伴う増水時の下水流入とされ、パリ市などは五輪開催を契機に川への下水流入を減らそうと地下貯水場建設などの対策を進めてきた。しかし、6日に予定されていたOWSの事前練習も水質の問題で中止になっていた。
OWSには日本勢として日本時間8日午後2時半からの女子に蝦名愛梨選手(22)=自衛隊、同9日午後2時半からの男子に南出大伸選手(28)=木下グループ=が出場予定だ。【パリ木原真希】
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