全国高校野球選手権大会は7日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕し、作新学院(栃木)のエースとして1973年の春夏の甲子園に出場し、プロ野球・巨人でも活躍した江川卓さん(69)が始球式を務めた。100周年を迎えた甲子園球場で記念の1球を投げ終え、「選手には勝っても負けても良い思い出を作ってほしい」とエールを送った。
懐かしい甲子園のマウンドに上がり、大きく振りかぶるおなじみのフォームで投球。山なりの球でワンバウンドしたものの、詰めかけた観客から大きな拍手を浴びた。
江川さんは、高校時代の公式戦で完全試合2回を含む無安打無得点試合を9回達成。73年春のセンバツでは4試合で60奪三振という大会通算最多記録をマークし、「怪物」と称された。
始球式後はワンバウンドしたことを悔やみながら「全力のストレートです」と苦笑い。それでも「甲子園は春と夏にだけ現れる幻の場所。プロ野球で投げるのとは全く違う感覚です。歴史のある大会で投げられたことに感謝です」と感慨深そうな表情を見せた。
最後に「野球はミスのあるスポーツで人生もミスだらけです。野球で感じた経験を後の人生に生かしてほしい」と、球児にエールを送った。【林大樹】
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