第106回全国高校野球選手権大会は7日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。今夏はこれまで甲子園のマウンドを経験してきた完成度の高い投手が多く、ハイレベルな投球が期待できそうだ。
実力、経験ともに申し分ないのは、報徳学園(兵庫)の右腕・今朝丸(けさまる)裕喜投手(3年)だ。188センチの長身から投げ込む最速151キロの角度ある直球と、落差のあるフォークとのコンビネーションは抜群だ。準優勝した春のセンバツでは3試合に先発して2完投。夏の兵庫大会決勝では明石商を完封し、1試合を投げきるだけのスタミナもある。
広陵(広島)の高尾響投手(3年)も安定感がある。1年春からエースナンバーを背負う右腕で、甲子園出場は4回目と経験も豊富だ。スピンの利いた最速148キロの質のいい直球を投げ込む。制球力も抜群で、キレのある変化球にも磨きがかかった。
層厚い大阪桐蔭
投手層の厚さでは、大阪桐蔭だろう。中野大虎(だいと)、森陽樹の両2年生投手が大阪大会で投手陣の軸となった。2段モーションが特徴の中野投手は、伸びのある直球が武器。五回コールド勝ちした履正社との準決勝で先発を任され、被安打3、2失点で完投した。直球と変化球のコンビネーションで空振りを奪う森投手は東海大大阪仰星との決勝で、15奪三振で完投した。一方で最速154キロを誇る注目のエース右腕・平嶋桂知(かいち)投手(3年)は、大阪大会で2試合の登板にとどまった。唯一先発した5回戦で五回途中まで投げて3失点と不安の残る投球だっただけに、どこまで復調できるか。
春のセンバツを制した健大高崎(群馬)の石垣元気投手(2年)は、150キロ超の直球に多彩な変化球を交えて打ち取る右腕。エース左腕の佐藤龍月投手(2年)が肘のけがでメンバー登録を外れたため、今大会は背番号「1」を背負う。
東海大相模(神奈川)の左腕・藤田琉生投手(3年)は、198センチの長身からの直球に角度がある。回転の利いた伸びのある直球は相手打者も打ちづらそうだ。
青森山田の右腕・関浩一郎投手(3年)の最速152キロの直球は、打者の手元で微妙に変化するのが持ち味。右の本格派で、昨秋の東北大会で無安打無得点試合を達成した桜田朔(さく)投手(3年)も控えており、起用法が楽しみだ。
金足農(秋田)の2年生右腕・吉田大輝投手は、2018年の第100回大会でエースとして準優勝に導いた吉田輝星投手(オリックス)の弟。力強い直球は当時の兄と重なる。「金農旋風」を再び巻き起こせるか。【吉川雄飛】
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