連日、厳しい暑さが続いている2024年の夏。
夏休みにも入り、暑さに負けず練習に励む部活動やスポーツチームの子供たち。熱中症が心配されるなか、どのような対策を行っているのか。少年野球クラブなどを取材した。
練習メニューに応じて「服装を変える」
元気よく練習に励んでいるのは大分県大分市の松岡少年野球クラブの子どもたち。
少年野球といえばユニホーム姿のイメージだが、全員が半袖・半ズボン。
こちらのクラブでは7月から新たな熱中症対策として練習メニューに応じて服装を変える取り組みを導入。プレーする子どもたちにも好評のようだ。
クラブの岩尾刻其キャプテンは、この取り組みについて「風通しが良くてみんなと楽しく野球ができる。体調が悪くなったらよくないので暑さ対策はした方がいいと思う」と話した。
選手たちはノック練習を前にユニホーム姿に。
子どもたちの安全を確保しながら暑い夏でも練習時間を確保するのは少年野球チームの共通した課題となっている。
こうした中でクラブの葛城聡監督は別のチームが行っていた半袖・半ズボンでの練習案を取り入れた。
「想像以上に子供たちも気持ちよさそうに楽しんでいる。(夏は)体力が正直必要になってくる。その中でも半袖半ズボンで動いてもっともっとのびのびできるのではないかと思う」と葛城聡監督は子供たちの反応について語っている。
熱中症での死者数は10年で2倍以上に
全国の熱中症での死者数の推移について、2012年では727人でしたが、2022年は1477人とここ10年では2倍以上に増えている。
実際に2024年の夏は最高気温も上がっている。
大分市で7月に猛暑日を記録した日数をまとめたものを見ると、これまでは猛暑日がほとんどなかったものの、2024年は30日までに16日観測。
熱中症警戒アラートも11日連続で発表されていて、スポーツの練習には注意が必要となっている。
練習場に大型の扇風機
こうした中、練習時間を工夫する取り組みも。
鶴崎高校の武道場では朝早くから威勢の良い稽古の声が響き渡っている。
県内でも開催中の北部九州インターハイで団体戦に男女ともに県代表として臨む大分市の大分鶴崎高校剣道部である。
大会直前の夏合宿。昼の暑い時間を避けて朝早くから練習しているほか室内に大型の扇風機を置くなど工夫している。
このほか、以前から暑さ指数を測る計測器を室内に置いたり、熱中症への注意を呼びかけたりするなど、生徒たち自身に体調管理を意識させている。
しかし、涼しい環境で練習時間を確保するのが難しいため、エアコンが付いているなど恵まれた環境の高校とは練習量に差が生まれてしまうという。
大分鶴崎高校 剣道部顧問姫野翔さんは「やっぱりこの暑さは私たちではどうしようもできないところもある。出来る限り練習ができる環境を提供できるように工夫をしながらやってはいるが、エアコンのついているところでの稽古量と、こういうところでの稽古量では差も出てくるので、少しでも涼しく意味のある稽古ができる環境というのはこれからも作っていけるようにしていきたい」と語っている。
連日の暑さに負けず、練習に汗を流す子どもたち。
一方で、地域や学校で安全にスポーツを続けるために現場では試行錯誤が続けられている。
(テレビ大分)
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