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  • パリ大会では2種目を実施

  • 男子 “王者”安楽宙斗と“悔しさ晴らす”楢崎智亜

パリ大会では2種目を実施

東京大会では「ボルダー」「リード」「スピード」の3つで競う「複合」として行われましたが、パリ大会では「ボルダー&リード」「スピード」の2種目として実施されます。

日本は「ボルダー&リード」では男女2人ずつが代表入りを果たしましたが、「スピード」は男女とも出場を逃しました。

男女それぞれ、東京大会の代表と、ここ数年で一気に力を伸ばしてきた期待の若手選手の組み合わせとなり、メダル獲得が大きく期待できるメンバーとなりました。

「ボルダー&リード」のルールは

「ボルダー&リード」は、ボルダーとリードにそれぞれ最高100点が与えられ、その合計得点で順位が決まります。

このうち4つの課題が設けられる「ボルダー」では、コースの途中にある「ゾーン」と呼ばれるポイントに到達すると得点が与えられ、1つの課題を最後まで登り切ると25点が得られます。1回落下するごとに減点となるため、いかに少ないトライ数で攻略するかが重要です。

そして「リード」は1回のトライで壁を登った高さを競います。登る1手ごとに得点が加算され、終盤になるほど1手で得られる得点が大きくなります。完登すると100点となります。選手たちには、パワーや発想力が求められるボルダーと、持久力が求められるリードの、2つを高いレベルでこなすことが求められます。

男子 “王者”安楽宙斗と“悔しさ晴らす”楢崎智亜

安楽宙斗選手

男子のボルダー&リードで代表入りしたのは17歳の高校生、安楽宙斗選手と、東京大会に続く2大会連続出場となる楢崎智亜選手の2人です。

安楽選手は去年、シニアの国際大会でデビューすると、ボルダーとリードのワールドカップでともに年間総合優勝を果たし、一気に“王者”に上り詰めました。力感のない軽やかな登りと腕のリーチの長さが持ち味で「脱力系クライマー」とも呼ばれますが、筋力トレーニングにも力を入れて取り組んできた結果、パワーも着実につけてきました。

「オリンピックではこれまでで1番強い自分で挑む」と、進化した姿で初のオリンピックに臨みます。

楢崎智亜選手

楢崎選手は東京大会で4位だった悔しさを晴らそうと意気込んでいます。持ち味のダイナミックな動きを生かした得意のボルダーは世界トップレベルの実力を持っていて、ことしのワールドカップの初戦も制するなど好調です。課題としているリードでは力を使いすぎない効率的な登りに取り組んできたということで、どこまでリードで粘りを見せられるかがポイントとなりそうです。

スポーツクライミングの日本男子で初のメダル獲得に手が届くか、注目されます。

女子 銀メダリスト野中とリードで圧倒の森

野中生萌選手

女子ボルダー&リードは、東京大会銀メダリストの野中生萌選手と、20歳の大学生、森秋彩選手の2人が代表入りしました。

野中選手は、去年の世界選手権とアジア予選で出場権獲得を逃し、最後のチャンスとなったアーバンスポーツの予選シリーズで代表をつかみました。女子では屈指の筋力を生かした得意のボルダーに加え、苦手だったリードも着実に実力を上げてきていて、パリでは「さらにレベルアップした姿をお見せしたい」と自信を見せています。

森秋彩選手

森選手は、去年の世界選手権のボルダー&リードで銅メダルを獲得して出場権を獲得しました。持ち味はホールドをつかむ指の力の強さと柔軟性で、特にリードでは世界でも圧倒的な強さを見せています。去年の世界選手権のリード種目では男女通じて初めてこの種目を制し、日本の女子選手として初めて世界選手権で金メダルを獲得する快挙を果たしました。

「クライミングに関わってない人にも自分の登りを見てもらって、クライミングの魅力を少しでも伝えていきたい」とオリンピックでの活躍を誓っています。

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【全選手紹介】スポーツクライミング パリオリンピック日本代表

日本勢の大きな壁は“世界最強のクライマー”

ただ、女子では海外勢に圧倒的な強さを誇る“世界最強のクライマー”がいます。東京オリンピックの金メダリストでスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手です。

東京大会のあとも去年の世界選手権でボルダー&リードとボルダーで2冠を達成。今シーズンのワールドカップ序盤でもボルダー・リードともに総合順位でトップに立っています。パワーと持久力、課題の攻略法を読む発想力などすべてを兼ね備えた選手で、日本勢にとって大きな壁となりそうです。

クライミング独特の「観察」にも注目

スポーツクライミングでは、競技前に出場選手が一斉に登場して課題を下見するオブザベーションが行われます。

オブザベーションは日本語で「観察」。選手たちが課題やルートを見ながらどうやって登るかを検討する時間で、これから戦うライバルどうしが身振り手振りを交えながら攻略法を考えます。

勝ち負けの前に、いかに頂上を目指すかというクライミングの原点がかいま見える場面となります。そうしたスポーツクライミング独特の文化にも注目です。

  • 注目

==日本代表 試合日程(日時は日本時間)==

【男子】
▽8月 5日(月)17:00 ボルダー&リード 準決勝(ボルダー)
▽8月 7日(水)17:00 ボルダー&リード 準決勝(リード)
▽8月 9日(金)17:15 ボルダー&リード 決勝(ボルダー)
        19:35 ボルダー&リード 決勝(リード)

【女子】
▽8月 6日(火)17:00 ボルダー&リード 準決勝(ボルダー)
▽8月 8日(木)17:00 ボルダー&リード 準決勝(リード)
▽8月10日(土)17:15 ボルダー&リード 決勝(ボルダー)
        19:35 ボルダー&リード 決勝(リード)

【NHK放送予定】

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【NHK放送予定】パリオリンピック2024

【NHKニュース】パリオリンピック2024

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