サッカー女子1次リーグ【日本-スペイン】前半、先制FKを決め祝福される藤野(中央)=ナントで2024年7月25日、ロイター

 パリ・オリンピックで3日、準々決勝に臨むサッカー女子日本代表には、パリの大舞台にも慣れっこの心強い味方がいる。ユニホームの胸に付いた「Y―3(ワイスリー)」のことだ。

 注目を集めたのは開会式に先立ち行われ、同じくY―3を身にまとう男子の初戦・パラグアイ戦。5―0で快勝と最高の滑り出しとなった選手たちにはもちろん、ユニホームにも注目が集まった。濃紺を基調に、青い炎が描かれたシャツの胸には「Y―3」の文字。SNS(ネット交流サービス)上では「Y3ってなんぞや?」との疑問だけでなく、ファッション好きから「大好きなY―3のユニホームを着てプレーしているのを見た気分は何より最高」と歓喜の声も上がった。

 サッカーファン以外からも注目を浴びたのは、Y―3が、今回のユニホームを手掛けた有名ファッションブランドだからだ。世界的ファッションデザイナー・山本耀司さんが手掛けるブランド「ヨウジヤマモト」と、ドイツのスポーツ用品大手「アディダス」がコラボ。2002年のパリコレクションに初参加したブランドで、「Y」はヨウジヤマモト、「3」はアディダスを象徴する3本線「スリーストライプス」を表している。

 山本さんは1981年、「コムデギャルソン」のデザイナー・川久保玲さんとともにパリコレデビュー。翌82年には当時、西欧では喪服や礼服の色とされていた黒を全面的に押し出したショーを展開し、「黒の衝撃」と称されファッション界に旋風を起こした。

 サッカー日本代表の新ユニホームは「炎」がテーマで、アディダスジャパンは「サッカー日本代表が持つ揺るぎない力強さ、日本という国が持つ神秘的な力を象徴している」と説明する。今年6月のパリコレで、25年春夏シーズンのY―3の新作とともに披露された。

 サッカー日本代表は男子が2日の準々決勝でスペインに敗れたが、女子は3日の米国戦で4強入りを狙う。世界中でファンを持つパリ常連ブランドとともに、世界のサッカーファンを熱狂させられるか。選手たちの躍動に期待がかかる。【森野俊】

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