第106回全国高校野球選手権大会に2年ぶり23回目の出場を決めた明徳義塾(高知)が3日、甲子園練習を行った。

 練習後、監督として歴代1位タイとなる甲子園通算38度出場を誇る馬淵史郎監督(68)は、日本高校野球連盟が7イニング制の検討に入ったことについて「基本的には9回をやらしてやりたい」と語った。

 馬淵監督は2022、23年と高校日本代表の監督として7イニング制で行われたU18(18歳以下)の国際大会を経験。昨年のワールドカップ(W杯)では日本を初優勝に導いた。

 「例えば完全試合をやられたら、3番打者までしか3打席目が回ってこないんです。6人が(塁に)出ないと(全員が)3打席を打てないわけですよ」と話し、「さあ野球を3年間やって2打席で終わりか、というのもかわいそうな気はします」と、試合に出る機会が減ることに懸念を示した。

 また、「子どもたちがどう思っているか。(野球を)やっている生徒たちがやっぱり9回やりたいんだという気持ちが多いのか、それとも体力的に(厳しいのか)ということもあるでしょ」と、選手の意見も尊重すべきだとの考えを示した。

 ただ、近年の夏の暑さで、選手の体調への影響が懸念されている。甲子園での練習を終え、「高知の暑さとはちょっと違いますね。暑さ対策として色々議論していくことが大事。関西に来てからの暑さを考えるとね、どうなのかなという考えも持っています」と話した。

 仮に7イニング制が導入された場合、戦術にも変化が生まれてくるという。

 「四回まで2点差で勝っていたら、勝てますよ。球数の部分もあるんでしょうけど、好投手を2人持っていて四回まで勝っていたら、終盤勝負みたいな言葉は出てこない。絶対、前半よ。前半勝負で逃げ切りです」

 「(7イニング制は)弱いチームが強いチームに勝てるっていう人もいる。僕は逆やと思います。そら、投手の頭数を持っているとこには勝てません。僕は余計に差が出るという風に思っている」と語った。

 さらに、馬淵監督は選手の負担軽減策の一案として指名打者(DH)制の導入について提案した。投手の負担が減り、10人目の出場枠が増えると考えている。

 「7イニングになったら、7イニングなりで監督さんも作戦をたてるでしょう。だけど、7イニング制よりDH(指名打者)制の方が先やと(思う)」(室田賢)

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