女子決勝の演技を終え、笑顔を見せる森ひかる=パリ(共同)

 トランポリン女子の森ひかる(25)にとって、能登半島地震があった石川県は、高校、大学時代を過ごした第二の故郷だ。自分に何ができるのかと葛藤したこともあったが「頑張っている姿で勇気を届けたい」と臨んだパリの舞台で2日、6位入賞。復興を願って舞い、被災地に「1人じゃない。自分とみんなを信じて進めば、光が見えてくる」と言葉を贈った。  元日、能登半島を大きな揺れが襲った。森は帰省で東京の実家にいた。練習拠点の金沢に向かったが、余震で新幹線が止まった。到着はしたものの、体育館が被災してしばらく使えない状態だった。海沿いの町に住んでいる親友からは、隆起した道路や変わり果てた町の写真が送られてきた。  中学時代に全日本選手権を制覇。競技が盛んな石川県に移り、金沢市の高校、大学で技を磨いた。能登は何度も足を運んだ場所。高校時代には輪島市内の体育館で約2週間の合宿をし、輪島朝市で、すしを食べ歩きしたことは大事な思い出だ。  高校生で石川に向かった時は「トランポリンを辞めてでも東京に帰りたい」と思ったが、今は違う。


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