15歳で兄と亡命 ドイツで競泳続けるシリア出身選手

シリア出身で難民選手団の24歳、アラー・マソ選手は、今から9年前の15歳の時、兵役が課せられる年齢になった兄とともに内戦が続くシリアから亡命し、その後、トルコやギリシャなど数か国を経てドイツに移りました。

ドイツでも競泳を続け、3年前の東京大会にも出場したマソ選手は、2大会連続出場となった今回のパリ大会で男子50メートル自由形に臨み、力強い泳ぎで73人中、全体の47位となりました。

レース後、マソ選手は「私は自分の出身の国でもスポーツをしていた難民をたくさん知っている。その選手たちは戦争が始まり、もう自分の国を代表することができなくなった。難民選手団としてスタートする機会を得るというのは、アスリートにとって自分自身を表現し、すばらしい会場で競技し、そして大観衆の前で泳ぐことができる、すばらしいことだと思う」と話していました。

厳しい気候と食糧不足のニジェール 15歳の代表選手

一方、この種目には、西アフリカのニジェール代表の15歳、マルアヌ・ママネハミスアッバ選手も出場しました。

ニジェールは、日本の3倍以上ある面積のほとんどがサハラ砂漠となっていて、暑い時期には気温が40度を超える日が続くなど気候的にも厳しく、食糧不足にも悩まされている国の1つです。

50メートルを最後まで懸命に泳ぎ切ったママネハミスアッバ選手は72位で大会を終え「オリンピックに出場することは私の夢だった。ニジェールの状況は厳しいが、それでもやらなければならない。自分自身や家族、サポートしてくれたすべての人を誇りに思う」と話していました。

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