8月7日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に、岩手県から審判委員として、一関市の会社員千葉広樹さん(39)が派遣される。元高校球児の千葉さんは「選手が全力でプレーできるよう、公平なジャッジを心がけたい」と抱負を述べる。

 夏の甲子園には、北海道・東北各地区で順番に派遣し、7年に1度まわってくる。千葉さんは「私でいいのかと思ったが、今年は甲子園が開場して100周年の大会ということもあり、とてもうれしかった」と語る。

 千葉さんの歩みは、まさに野球一色だ。千葉さんは小学4年で野球を始めて、花泉高校に進み、2年生の夏の岩手大会では8強に入った。卒業後も、外部コーチとして母校で14年間、指導にあたった。

 その後、地元の関係者に誘われて審判になったものの、当初は今ほど力を入れていなかった。だが、「東北大会で球審をする先輩をみて、本当にかっこいいなと思って……」。そこから真剣に取り組むようになったという。会社員として働くかたわら、今夏の岩手大会では計6試合で球審や塁審を務めた。

 県野球協会審判技術委員会の細川幸久委員長は「若さと審判技術、そして人間性が評価された。選手や他の審判からの信頼も厚い」と絶賛する。

 今後の目標は「国際審判員の資格を取得して、世界の大会で審判を務めたい」という千葉さん。甲子園では球場全体の観客に見えるよう、大きなジェスチャーをこころがけたいという。「選手たちが悔いのないように、思い切り野球を楽しめるよう頑張りたい」。千葉さんは甲子園で3試合塁審を務める予定だ。(伊藤恵里奈)

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