パリ・オリンピック柔道男子81キロ級で、筑波大卒で大学を拠点に練習する永瀬貴規(30)が2大会連続の金メダルを獲得した。同級で世界初となる2連覇に、筑波大柔道部の岡田弘隆監督(57)は「全ての試合を永瀬らしくやり通してくれた。連覇のプレッシャーを感じさせないいつもと変わらないスタイルで、うれしかった」と喜んだ。
永瀬は茨城県つくば市在住。ほぼ毎日大学生と同じ練習メニューに取り組むが、岡田監督は「誰よりも質の高い稽古(けいこ)をしている。疲れて休んでいる学生がいる中でも休まずに最後までやりきる余力があり、それが試合中の余裕につながった」と違いも指摘する。
五輪での教え子は、「長い手足を生かしてどの相手にも優位を保ち試合をコントロールできていた」。試合後に「おめでとう」とメッセージを送ると、「ありがとうございます。これが筑波の学生の刺激になったらうれしいです」と返事が来た。「私にも学生にも良い影響を与えてくれてありがとうと伝えたい。彼の柔道への取り組みを見ているだけで指導者はいらないくらいだ」と感嘆した。
永瀬は普段から積極的に異なる階級の選手とも組むという。20キロ以上重い川島渓太さん(20)もその一人だ。東京五輪での金メダルに「あんな選手になりたい」と入学した川島さんは、「決勝の技は、いつも自分がかけられている技だった」と言う。「強いだけでなく柔道に真面目に取り組む姿勢にみんな憧れている。後を追ってオリンピックに出て優勝したい」と川島さん。先輩の帰国後は「まずは投げたい。2連覇した選手に勝てるよう一緒に練習していきたい」と、偉業に決意を新たにした。【信田真由美】
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