体操女子団体で8位入賞しジャンプする(右から)岡村真、牛奥小羽、中村遥香、岸里奈=ベルシー・アリーナで2024年7月30日、玉城達郎撮影

パリ・オリンピック 体操女子団体総合 決勝(30日・ベルシー・アリーナ)

日本(岸里奈=戸田市SC、岡村真=相好ク、中村遥香=なんばク、牛奥小羽=日体大)=8位

 決勝に進んだ8チーム中8位。予選5位からも順位は落とした。それでも堂々と演技を通した「4人」の表情はすがすがしかった。

 決勝は、復活したシモーン・バイルス選手らを後押ししようと米国のファンが多く訪れ、「USA」コールが響く異様な熱気に包まれた。日本は最初の種目の平均台で岡村真選手、岸里奈選手が安定感ある演技で順調にスタートするも、続く中村遥香選手が落下。その後も随所に日本らしい美しさを見せながら、順位を上げることはできなかった。

 田中光監督は「立派」と評価した。五輪開幕直前、エースとして期待された宮田笙子(しょうこ)選手が飲酒、喫煙問題で代表を辞退。規定で補欠の繰り上がりもできなかった。思いがけない事態に決して動揺も小さくなかっただろう。それでも周囲の声に惑わされず、4人は練習中も試合中も笑顔で明るく振る舞った。岸選手は言う。「不安や頭の整理ができない部分はあったが、次を見て、前に進んでいた」

 決勝の選手登場シーン。4人は宮田選手の床運動の決めポーズをそろって取った。頭には宮田選手からもらった髪留めが光った。辞退した理由がどうであれ「5人で戦っていることを忘れずにしっかりやりたかった」(牛奥(うしおく)小羽選手)と、きっぱりと言いきった。他の選手も「5人」だから最後まで戦いきれたと強調した。

 女子団体60年ぶりのメダルは遠かった。全体最後の演技となった金メダルの米国、バイルス選手の床運動に見入った岡村選手は「いっぱいの観客全員が見ている状況で、あんなにかっこいい演技ができる。本当にすごい」と語った。今回の日本代表は全員が10代で、初めての五輪。パリでの経験を力に変えれば、これからどんなトップ選手にも成長できる可能性を秘めている。【パリ角田直哉】

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