今年の西東京大会は見応えのある好ゲームが相次ぎました。
国学院久我山は早稲田実との準々決勝で9点差を追いつき、粘り強さをみせました。普通ならあきらめてもおかしくない点差。見ていた人たちにとっても、面白かったと思います。これぞまさしく高校野球。負けたけれど、最後まであきらめない姿をファンに見せてくれました。
東海大菅生は投手を中心にチーム力がありましたが、5回戦で敗れました。1イニングに10失点。それでも、最後に1点差まで食い下がった戦いぶりは、さすがでした。国学院久我山と東海大菅生は両チームとも、負けたけれど立派です。
4強入りした日大二も、準決勝で早稲田実に敗れましたが、ノーシードから勝ち上がり、「つなぐ野球」が光っていました。飛び抜けた選手はいないけど、粘っこく、うまくつないでいました。8強入りした早大学院も、最近力をつけてきています。系列の大学があり、選手確保にも成功している。選手がそろってきているのでしょう。
何より見応えがあったのが、早稲田実と日大三の決勝です。投手陣の安定力では日大三がやや上とみていましたが、打力はほぼ同じ。両チーム、互いに食らいつき、どちらが勝ってもおかしくない試合でした。リードされた日大三も慌てていなかったし、早稲田実も「もつれる」と覚悟の上での戦い方をしていました。サヨナラ勝ちで早稲田実が9年ぶりの甲子園出場を決めましたが、両チームとも見事でした。
昨秋、新チームになった早稲田実の試合を見た時に和泉監督にいいました。「これはいいチームになるよ」と。その言葉通り、いいチームに仕上がっていました。2ストライクからでも振れる力量を持っている。宇野も木製バットで2本塁打。木製バットを使いこなし、うまく使っている。今までにない好打者だと思います。(帝京・前監督)
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