目次

  • 《競泳》

  • 池江璃花子“過去の自分超え”目指す

《競泳》

池江璃花子“過去の自分超え”目指す

まず女子で注目されるのが3大会連続のオリンピック出場となる池江璃花子選手。ことし3月の代表選考の大会では、本命種目の100メートルバタフライで、高校生の平井瑞希選手に敗れたものの派遣標準記録を突破して2位。白血病と診断されてから5年、2大会ぶりの個人種目でのオリンピック出場を決めました。

去年の秋からオーストラリアに拠点を移し、現地の名コーチ、マイケル・ボール氏の指導のもと厳しい練習を積んできました。

なにより精神面で大きな影響があったということで「思い切って環境を変えてみることが必要だったんだと思う。拠点を変えて、結果も出てきて、改めてすごく水泳が好きだなと思わせてもらえた」と話しています。

パリ大会で目指すのは、決勝進出と、8年前のリオデジャネイロ大会のタイムを超えること。「池江が世界に戻ってきたと思ってもらいたい」と意気込んでいます。

“真のエースへ” 本多灯

一方、男子でメダル獲得が期待されるのが200メートルバタフライの本多灯選手です。
19歳で出場した東京オリンピックで銀メダルを獲得した日本のエースは、ことし2月の世界選手権では、左足首のけががありながら自身初の世界選手権金メダルを獲得するなど進化を見せています。

東京大会で金メダルを獲得したハンガリーのクリシュトフ・ミラーク選手など強力なライバルが多くいますが、目指すのはあくまで金メダルのみ。「自分の最大の夢がオリンピックの金メダル。北島康介さんや萩野公介さんのように、水泳という競技を通してスポーツの魅力を伝えることが目標」と、真のエースとしての覚悟を持って戦いに挑みます。

五輪メダリストは強い決意

大橋悠依 選手

そのほかのオリンピックメダリストたちも、パリの舞台に強い決意を持って臨みます。東京大会で個人メドレー2冠を達成した大橋悠依選手は、パリ大会を「オリンピックの集大成」と位置づけています。

無観客だった東京大会を「メダル獲得の実感があまりない、不思議な感覚」と振り返る大橋選手、それだけにパリで「多くの人に自分の泳ぎを見てほしい」という思いが今の原動力となっています。

挑む種目は、東京大会後から本命と位置づけた200メートル個人メドレー。「水泳の競技人生も終盤に来ている。後悔はしたくない」とすべてを出し切る覚悟です。

このほか、ロンドン大会で3つのメダルを獲得した33歳の鈴木聡美選手は、日本競泳史上最年長での出場。ことし3月の代表選考の大会では100メートル平泳ぎで自己ベストを更新するなど底知れぬ進化を見せていて「自分の記録と、ロンドン大会の実績を超える」と目標を掲げています。

さらにリオデジャネイロ大会の400メートル個人メドレーの銅メダリスト、瀬戸大也選手も去年から池江選手と同じくオーストラリアに拠点を移し、厳しいトレーニングを積んできました。「過去最高の泳ぎをして、自己ベスト、そしてメダル獲得を目指す」と自信を深めています。

注目は“新怪物”レオン・マルシャン

その瀬戸選手など日本勢の最大のライバルとなりそうなのが、地元フランスの“新怪物”、22歳のレオン・マルシャン選手です。アメリカのレジェンドスイマー、マイケル・フェルプスさんを指導したボブ・ボウマン氏がコーチを務めています。

去年、福岡市で行われた世界選手権では、200メートルと400メートルの個人メドレー、そして200メートルバタフライで3冠を達成。特に400メートル個人メドレーでは、フェルプスさんが持っていた世界記録を更新する4分2秒50のタイムをマークし世界を驚かせました。

そのレースに出ていた瀬戸選手はマルシャン選手の泳ぎに衝撃を受けて、オーストラリアに拠点を移すことを決意しました。

瀬戸選手はマルシャン選手について「穴がない。個人メドレーだけでなく、200メートルのバタフライも平泳ぎもすごいし、4種目すべてで世界トップレベルだ」と評しています。新たなスター候補が地元でどんな泳ぎを見せるかも注目です。

伸び盛りの若手にも期待 “日本競泳復活のきっかけを”

成田実生 選手

苦しい状況が続く日本競泳界にとって、カギとなるのは若手の台頭によるレベルの底上げです。

高校生の平井瑞希選手や成田実生選手、大学1年生の松下知之選手など、2028年のロサンゼルス大会まで見据えている選手たちが、最高峰の舞台でどこまで力を発揮し、飛躍のきっかけをつかめるかも見どころの1つです。

日本代表が目標とするのは、複数のメダル獲得と全員の決勝進出、そして3月の代表選考の大会の記録を超えていくことです。

お家芸復活へ、それぞれのスイマーの思いを込めた泳ぎから目が離せません。

【全選手紹介】競泳 パリオリンピック日本代表

【競技 日程紹介/NHK放送予定】

詳しくはこちらからご覧ください↓↓↓

【日程紹介】パリオリンピック2024

【NHK放送予定】パリオリンピック2024

《アーティスティックスイミング》

アーティスティックスイミングは、2018年にシンクロナイズドスイミングから名称が変更されました。

前回の東京オリンピックで日本は、8人で行う「チーム」、2人で行う「デュエット」ともに4位で、メダル獲得を逃しました。パリ大会を前に去年、大幅なルール変更が行われ、フィギュアスケートのように1つ1つの技で難易度が設定され、その技の出来栄えで採点されるようになりました。

1つのミスで大きく点数が変動するため「どのチーム・ペアにもメダル獲得のチャンスがある」と言われるなど、大きく情勢が動きました。

最大のライバルの中国などを相手に、2大会ぶりのメダル獲得なるか、注目されます。

開幕直前にペアを変更デュエット

デュエットは、パリ大会開幕までおよそ50日となったことし6月にペアが変更され、16歳の比嘉もえ選手と22歳の佐藤友花選手のペアで臨むことになりました。

それまでは比嘉選手と安永真白選手がペアを組み、去年の世界選手権のテクニカルルーティンで金メダルを獲得するなど、ダイナミックなアクロバティック技で実績を上げてきました。

しかし、開幕が間近に迫るなかでのペア解消。中島貴子ヘッドコーチは「かなり悩んだが、チームもデュエットもしっかり正確にこなせて、自信を持って送り出せるペアにした」と重い決断を下しました。

1メートル72センチの身長を生かしたしなやかな演技が持ち味の比嘉選手と、技術力が高く正確に演技をこなせる佐藤選手。2人で練習を始めたのは5月からですが「お互い思っていることをなんとなくくみ取れる」と短い期間でも一体感のある演技を作りあげてきました。

佐藤選手は「完璧な演技をして、なぜ日本が開幕直前のタイミングでペアが組み替わったのかを結果で示したい」と意気込んでいます。

チームはアクロバティックルーティンがカギ

そしてチームは、今回のオリンピックから、テクニカルルーティンとフリールーティンに加え、ジャンプやリフトなどの動作を組み込んだ演技で競うアクロバティックルーティンが加わり、3つの種目の合計で競われます。

日本のカギとなるのはそのアクロバティックルーティンです。

ことしの世界選手権では7位に終わっていて、この種目でどれだけミスをせず得点を積み重ねられるかが重要です。

日本の演技のテーマは『アリゲーター』。
ワニの動きが随所に取り入れられた構成となっていて、ジャンプなどを行う「フューチャードスイマー」を技に応じて4人が務めるのが特徴です。

キャプテンの吉田萌選手は「日本は1人1人の技術が高い。 演技のなかでいろんな表情のワニを感じてもらえれば」と、日本らしい多様な表現で目標のメダル獲得を目指します。

《飛び込み》

飛び込みのパリオリンピックの日本代表は「過去最高のメンバー」と関係者が口々にそろえるほど充実した布陣となりました。オリンピックで日本飛び込み界初のメダル獲得への期待が高まっています。

17歳玉井陸斗選手“自分が第1号に”

最も注目されるのが東京大会に続く2大会連続のオリンピック出場となる17歳の高校生、玉井陸斗選手です。東京大会では高飛び込みで、日本選手としてこの種目、21年ぶりの入賞となる7位に入りました。

その後も、おととしの世界選手権で銀メダルを獲得するなど、世界の第一線で活躍してきました。

しかし、去年の世界選手権では、決勝に進出してパリ大会の代表内定を決めたものの、この大会で腰を痛め、復調するまでに時間を要しました。

それでもことし5月のパリオリンピックのテスト大会となる「フランスオープン」では、東京大会の金メダリスト、中国の曹縁選手らを破って優勝するなど、調子を上げてきました。

パリ大会に向け「日本の飛び込み界で、自分がオリンピックのメダリスト第1号となれるよう最大限の演技をして、金メダルを獲得したい」と力を込めています。

女子も三上紗也可選手らに期待

そのほか、女子も板飛び込みの三上紗也可選手や、高飛び込みの荒井祭里選手といった、国際大会の経験が豊富な選手に期待がかかります。

中でも去年のワールドカップのスーパーファイナルで2位に入った三上選手は「ベストなパフォーマンスができればメダル獲得はできると思う」と話しています。

飛び込みの魅力について、玉井選手は「ふだん見られない高さからの演技や、宙返り・ひねりなど、非現実的なところだと思う。くるくる回りながら、最後は水しぶきを上げずに入水する『ノースプラッシュ』は迫力がある。そこを見てほしい」と語っています。

踏み切ってから、わずか2秒で演技を終える飛び込み。その一瞬にかけて練習を積み重ねてきた選手たちから目が離せません。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。