(27日、第106回全国高校野球選手権香川大会決勝、英明4―3高松商)

 七回、今大会で初めて2点リードされた。でも、流れは変えられると信じていた。

 八回表無死一塁、二塁のピンチで登板した高松商のエース佐藤晋平投手(3年)は、強気の投球で英明の打者2人を打ち取ると、ここまで全打席出塁の鈴木昊(そら)選手(3年)を直球で捕飛に抑えた。「おっしゃー」と雄たけびを上げた。

 勢いを取り戻した高松商は八回裏で1点差に詰め寄った。

 最速146キロの直球が武器。甲子園を沸かせ、巨人に入団した高松商の先輩、浅野翔吾選手に憧れて「せとうち留学」で岡山県からやってきた。今大会はエースナンバーを背負って臨んだ。

 ただ、準決勝まで13回を投げるも防御率は2.77と思うような投球が出来なかった。「背番号1をつけさせてもらっているのになかなか力になれない」との思いがあった。

 1点差での敗北に「自分たちのやるべきことが出来なかった」と悔いた。長尾健司監督は「今日の投球はすごかった。人生は長い」と励ました。(木野村隆宏)

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