(26日、第106回全国高校野球選手権埼玉大会準決勝 花咲徳栄3―1山村学園)

 一回表1死満塁。花咲徳栄の岩井隆監督は「思いっきり引っ張れ」と、5番打者の田島蓮夢(2年)を打席へ送り出した。

 田島は高めの直球を狙っていた。だが、スライダーが甘く入ったのを見逃さず、監督の指示通り引っ張った。一塁を強襲し、ボールが転がる間に2人が生還。試合の主導権を握る先制打となった。

 1年秋から中軸を任されている。4番を打つ強打者・石塚裕惺(3年)は勝負を避けられることも少なくない。田島はいつも「自分が打ってやる」という意識で打席に臨んでいるという。石塚は「勝負強く、(自分が)敬遠された後に打ってくれるので心強い」と信頼を置く。

 この日、再び1死満塁で巡ってきた三回は二ゴロに倒れた。「低めに手を出してしまった。決勝では修正してチャンスでしっかり打ちたい」。先制打にも浮かれた様子はなく、決勝での活躍を誓った。(中村瞬)

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