(26日、第106回全国高校野球選手権新潟大会決勝 新潟産大付4―2帝京長岡)
三塁ベース上で力強く左手を突き上げた表情には、自信がみなぎっていた。
二回表、1死三塁。プロも注目する今大会屈指の右腕、帝京長岡のエース茨木佑太(3年)と相対した6番中村心虹(こう)(3年)は「狙い球を、まっすぐに絞っていた」。
1ボールからの2球目、センター方向を意識して振り抜いた打球は左中間を破る三塁打に。先制点をたたきだし、続く千野虹輝(こうき)(同)の左前安打で自身も2点目となる本塁を踏んだ。
「同じ高校生じゃないか。相手を大きく見たら(気持ちで)負ける」。そんな思いで茨木に向かった。「体も大きくないので、大振りせずにコンパクトなスイングを心がけている」と話す中村の身長は167センチ。茨木ら速球派の投手に負けぬよう、バッティングマシンの速度を140キロ超に設定し、練習を重ねてきた。
準決勝までの打率は5割超でチームトップ。吉野公浩監督は決勝で5番を打たせようと考えていたが、「プレッシャーになるかも」と準決勝の7番から6番に。この起用も的中した。
今は大学生の兄2人も新潟産大付野球部の出身。「つなぐ野球を意識し、お兄ちゃんの分まで甲子園で頑張ってくる」と笑顔だった。(北沢祐生)
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