バレーボール男子日本代表の練習で、喜ぶ高橋藍=パリで2024年7月25日、長澤凜太郎撮影

 パリ・オリンピックで52年ぶりとなる金メダル獲得を目指すバレーボール男子日本代表。初戦の1次リーグ・ドイツ戦は27日午前9時(日本時間同日午後4時)と、異例の朝スタートだ。最近の国際大会の試合は夕方以降が多く、慣れない時間帯でベストパフォーマンスを発揮するための準備を進めている。

 「朝9時にプレーするのは非常に難しいことだが、ドイツにとっても同じ条件。9時にフォーカスできるようにしたい」

 初戦を3日後に控えた24日、フィリップ・ブラン監督は調整の難しさをそう語った。

 パリ五輪前哨戦となった今年5~6月のネーションズリーグで男子日本代表がプレーした全15試合の時間帯はすべて午後で、夜が多かった。昨秋に東京で行われたパリ五輪予選は開催国だったため、全7試合がテレビ中継に合わせて午後7時25分開始だった。

 しかし、パリ五輪は1会場で1日最大4試合を消化するため、第1試合は午前9時と早く設定されている。1次リーグは各チーム3試合で、男子日本代表の9時からの試合は初戦だけだ。

 欧州や日本国内の各クラブの試合も午後の実施が多い。午前9時からの試合は、高校生や大学生以来という選手も少なくない。

 試合に向けて生活のリズムを整えるため、男子日本代表は今月中旬以降、試合を想定したスケジュールを繰り返している。チーム全体で午前6時から散歩し、朝食を挟み、早々にウオーミングアップし、試合と同じ9時には実戦形式の練習を行っている。

 高橋藍選手(サントリー)は「5時ごろに起き、7時半ごろには完全に体をほぐしていけるようにしている」と工夫を説明し、甲斐優斗選手(専大)は「早く寝ることだけ心がけ、体が起きた状態で臨めるように準備している」と早寝早起きを意識している。

 ベストの状態で臨むことができても、ドイツは難敵だ。

 日本と別の組だった昨秋の五輪予選では強豪のブラジル、イタリアを破り、全勝で出場権を獲得した。世界ランキングは11位と低いが、直前の練習試合では世界ランキング1位のポーランドにフルセットで惜敗するなど実力を持つ。

 主将の石川祐希選手(ペルージャ)は「ドイツは非常に力があるチーム。特に初戦が一番大事だと思っているので、そこに一つのピークを持っていく」と必勝を誓う。【パリ小林悠太】

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