【神戸市・高砂市(三菱重工West)-豊田市(トヨタ自動車)】試合を終えた豊田市の佐竹功年(右から5番目)=東京ドームで2024年7月25日、新宮巳美撮影

 第95回都市対抗野球大会は第7日の25日、2回戦があり、前回優勝の豊田市・トヨタ自動車は神戸市・高砂市・三菱重工Westに2―9で敗れた。今大会限りでの現役引退を表明していた豊田市の「ミスター社会人野球」、佐竹功年投手(40)は登板がなく、後輩へメッセージを残して東京ドームに別れを告げた。

 「勝てなくて残念でしたけど、若い選手にはいい経験になったと思うので、これを糧にして来年強いトヨタを作って帰ってきてほしいなと思います」

 気丈に振り返ったが、自身の19年の社会人野球生活に話が及ぶと、こみ上げる思いをこらえられなかった。約10秒間、目頭を押さえた後、目をうるませながら「いい経験も楽しい経験も悔しい経験もたくさんさせてもらった」と都市対抗への感謝を語った。

【浦添市(沖縄電力)-豊田市(トヨタ自動車)】九回表浦添市2死一、三塁から登板した豊田市(トヨタ自動車)の2番手・佐竹功年=東京ドームで2024年7月19日、宮間俊樹撮影

 今大会は、19日の浦添市・沖縄電力との開幕試合で5年ぶりに都市対抗のマウンドに立ち、社員やファンの前でピンチを抑えて勝利投手になった。「社会人野球は本当に楽しい。全員が社会人野球を引っ張っていくという気持ちを持って、応援してくれる人たちにいい試合を見せられるようにこれからもやってほしい」と後輩へエールを送った。

試合後、ファンの求めに応じてサインをする豊田市(トヨタ自動車)の佐竹功年投手=東京ドーム前で2024年7月25日、小出洋平撮影

 佐竹投手は香川・土庄高から早大を経て2006年にトヨタ自動車に入社。都市対抗では14年に大垣市・西濃運輸の補強選手として日本一に貢献。主将を務めた16年はトヨタ自動車を初優勝に導き、橋戸賞(最優秀選手賞)に輝いた。19季目を迎えた今年1月、今夏の都市対抗で現役引退すると表明した。【皆川真仁】

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