試合終了後、ベンチに引き揚げる赤山主将(左)と冷水投手=和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で2024年7月24日午後1時59分、藤木俊治撮影

 第106回全国高校野球選手権和歌山大会は24日、和歌山市の県営紀三井寺球場で準々決勝があった。春夏連続の甲子園出場を目指した耐久は、4強目前で夢がついえた。昨夏1回戦で敗れた相手に雪辱を果たせず、ナインは涙を流した。

 前半で近大新宮に3点を先行される苦しい展開。六回に主将の赤山侑斗(3年)の適時二塁打で1点を返したが、八回は2死満塁で追加点を奪えなかった。ゲームセットまで声をからした主将は「力を出し切ることしか考えてなかった」と目を赤くはらした。

 先発した冷水孝輔(同)は七回まで毎回の11安打を浴び、勝負どころで踏ん張れなかった。甘く入ったスライダーを狙われ「ボールのキレ、高さ、コースも良くなかった。直球も詰まりながら外野に落とされた」と悔し涙をぬぐった。中軸の一人が体調不良で欠場する不運もあり、井原正善監督は「気持ちがはやり、体の開きも早くなったのではないか」とかばった。

 それでも、センバツでマウンドに立った右腕は「注目される分、自分が引っ張って勝利に貢献したかった」。八回は3者連続三振に切って取り、意地を見せた。「センバツに出たプライドもあった。もう一度甲子園に行きたかった」。気迫を前面に押し出し、最後にその片鱗(へんりん)を見せた。【藤木俊治】

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