柔道女子52キロ級の阿部詩が23日、兄で男子66キロ級の阿部一二三とパリへ出発し、兄妹で五輪2連覇へ挑む日が迫ってきた。「お家芸」のヒロインは大きな期待を背負い「パリの舞台で一番輝く」と気合をみなぎらせる。

 2大会連続のきょうだい同日制覇は今大会も注目の的だ。東京五輪で金メダルを先に決めた妹が畳の近くで兄の決勝を見つめ、勝利の瞬間に両手を上げて笑顔で跳びはねる姿は大会の印象的なシーンとして刻まれた。

 ただ今回は従来と違う闘いになる。五輪や世界選手権の決勝は女子、男子の順番が通例だったが、パリ五輪は1日ごとに入れ替わる。兄妹が登場する28日は男子、女子の順に実施。この試合順は阿部詩が「試練」と表現するほど、忘れられない記憶となっている。

 2019年11月のグランドスラム大阪大会決勝。異例の運営により、詩は一二三の後に登場し、今も個人戦で唯一となる対外国人の敗戦を喫した。

 14日に24歳となった詩は「そういう失敗はもうない」と力強い。パリの畳で新たな歓喜の瞬間は訪れるか。(共同)

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