【FC東京-町田】前半、勝ち越しゴールを決める町田の呉世勲=味の素スタジアムで2024年4月21日、藤井達也撮影

◯FC町田ゼルビア2―1FC東京●(21日・味の素スタジアム)

 J1初昇格の町田には、一つの合言葉がある。「連敗だけは絶対にできない」。前節の神戸戦で敗れて首位を譲ったが、すぐにトップに返り咲く白星を挙げた。

 先制しながらPKで追いつかれ、1―1で迎えた前半25分。自陣から右サイドへのロングボールに、192センチの長身とスピードをあわせ持つDF望月ヘンリー海輝が反応。ボールはゴールラインを割りかけたが、望月が長い脚を懸命に伸ばしてクロスを上げると、FW呉世勲が豪快なダイビングヘッドで勝ち越し点を奪った。

 この日がリーグ戦初先発だった大卒ルーキーの望月は「自分のストロング(ポイント)のスピードなどを生かせた。常日ごろから狙っている形だった」と初々しく答えた。

 町田の黒田剛監督は「PKという残念な形で同点ゴールを奪われたが、すぐにもう一回突き放しにかかれたのが今日の試合の一番の肝だった」と話した。

 昨季のJ2は独走状態で優勝。シーズンを通じて連敗が一度もなかった。初めてJ1で戦う今季も9戦を終えて2敗こそ喫したが、連敗はまだない。黒田監督はこう強調する。

 「連敗すると一気に崖から転がり落ちる。上位に食らいついていくという目標を掲げた以上、『そこへのこだわりは執念を持って全うしてほしい』と選手たちにも話していた」

 主将を務めるDF昌子源は「新参者のチームだけど、そんなの関係ない」と力を込めた。挑戦者の立場だが、強者のメンタリティーで戦い続ける。【高野裕士】

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