平戸海(左)を押し出しで降す琴桜=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月22日、兵藤公治撮影

大相撲名古屋場所(22日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

〇琴桜(押し出し)平戸海●

 9日目を終えて連勝街道を突き進む横綱・照ノ富士を2敗で追うのは早くも2人だけとなった。大関・琴桜が今場所元気な新小結・平戸海を降して、2差を死守した。「いつも通り集中してやっただけ。しっかり攻め切れたのでよかった」

 平戸海が頭から当たって右を差し込み左も前みつをつかんで頭をつけて食いついた。受け身の琴桜だったが、右を差してこらえ、寄られても余裕を持って残す。逆に左を巻き替え、かいなを返して寄る。俵に詰まった相手の腹を抜いた左で押して勝負を決めた。今場所1大関3関脇を破った平戸海を「横から攻めなきゃいけない。少し差されていたので」と嘆かせた。

 関脇だった今年の初場所で優勝決定戦まで進みながら照ノ富士に敗れ、初優勝を逃した。場所後に大関に昇進し、先場所から横綱だった祖父のしこ名を継いで2場所目だ。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「だいぶ慣れてきたでしょう。私も若ではなく、桜と呼ぶ。『自分らしい相撲を取れ』と言っている」と話す。

 看板力士の責務、優勝争いに踏みとどまった琴桜は「目の前の一番を集中してやることがつながってくる」と平常心を強調する。【武藤佳正】

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