全国大会や九州大会の出場権をかけた県中総体が21日に始まり、会場にはオリンピックの銅メダリストも訪れました。

一方、3年後に全国大会が無くなる水泳種目の関係者からは戸惑いの声が聞かれました。

県中総体(夏季大会)には19競技に5616人が参加しています。

長崎市民総合プールで開かれた水泳には318人がエントリーし、2位以内で九州大会に出場できます。

日宇中学校2年の大野鈴河 選手は21日に、県内2冠(50メートル自由形と400メートルリレー)を達成した注目選手。

22日の100メートル背泳ぎでは、午前の予選で全国中学校体育大会=全中の参加標準記録(1分05秒80)にわずか0.41秒と迫る1分06秒21のタイムを出します。

「全中」出場に執念を燃やす大野選手は午後の決勝で、前半50メートルを31秒41と飛ばします。

しかし、後半はペースが落ち1分06秒84でフィニッシュ。

悲願の全中出場はなりませんでした。

プレゼンテーターの中尾美樹さん(シドニー五輪銅メダリスト)から賞状を受け取っても…

100メートル背泳ぎ 優勝 大野鈴河 選手(2年)
「来年度は絶対に(標準記録を)切って、(全中の)決勝に残っていいタイムで終われるようにしたい」「(シドニー五輪銅メダリストの)中尾美樹さんにさっき教えてもらった悔しかったことはノートに書くのと、練習から自分の泳ぎが試合で出せるようにしていきたい」

ところで、水泳競技は3年後の2027年度に全国大会の「全中」が無くなります。

「全中」を主催する団体(日本中学校体育連盟)が6月、20競技のうち「水泳」を含む9競技を開催しないと発表したのです。

関係者は戸惑いを隠せません。

シドニーオリンピック100メートル背泳ぎ銅メダリスト 中尾美樹さん
「全中で一応、優勝させて頂いたんですけど」「全国中学は私にとっても中学で1番の目標でもあったので、全国とつくタイトルが無くなりそうなのは寂しいと思います」

県中学校体育連盟 水泳競技 冨永亮介 専門委員長
「中学生スイマーとしては全中で1位を取るということが大きな目標の1つだと思う」「子どもたちのモチベーションが今後どうなるんだろうなという心配はあります」

競技団体によっては代替大会を模索する動きもあるなか、日本水泳連盟は7月17日に都道府県の水泳連盟などと今後について意見交換をしたということです。

全中が無くなることで九州大会や県中総体への影響を懸念する声もあります。

県中体連は「全中の見直しに伴い、県中総体の各競技をどうするかは今後の議論。競技団体独自の大会が行われるようになれば団体の負担もあるため見通せない」としています。

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「全中」取りやめの9競技)
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