(21日、第106回全国高校野球選手権東東京大会5回戦 修徳4―3小山台=延長11回タイブレーク)

 小学2年で野球を始めてから、双子の兄・裕太(3年)とはずっと一緒のチームでプレーしてきた。自分では似ていないと思うけど、周りからはそっくりといわれる。

 甲子園出場経験があって、進学校の小山台を選んだ。中学2年の時、「一緒にいこうぜ」って2人で決めた。裕太は外野手で、俺は投手。性格は真反対でこつこつと努力する兄に対し、なまけやすいタイプ。帰宅後も父と一緒に練習をしている姿を横目に、「あとでやる」と言って、結局寝ちゃってた。「すごいなあ」って素直に尊敬する。

 6月上旬、選手間投票で選ばれたメンバー発表があった。裕太は18番目に名前を呼ばれ、俺は呼ばれなかった。実は、「18」は今年の春につけていた番号。ちょっとできすぎかな。家に帰ってから、「おめでとう」と伝えると、「お前の番号をもらったと思ってる。お前と一緒にプレーするから」と言ってくれた。

 8強入りをかけた21日の5回戦。裕太は左翼で先発した。三塁側スタンドにいながら、グラウンドでプレーしている感じ。この夏、裕太は自信にあふれたいい顔をしていた。

 サヨナラ負け。試合終了のサイレンがなると、小さい頃から一緒に練習をしてきたこと、3年間頑張ってきたことが次々とよみがえってきた。納得のいく終わり方ではなかったけれど、こう伝えたい。「自分の分までプレーしてくれてありがとう。一緒に野球ができてよかった」=神宮(野田枝里子)

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