第106回全国高校野球選手権三重大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)前半に目立ったのが部員15人の尾鷲の快進撃だ。6日の1回戦では前回優勝のいなべ総合から8―5で金星を挙げ、19日の神戸との2回戦も7-3で逆転勝ち。9年ぶりに16強入りを決めた。
尾鷲は今春1年生7人が入部するまで部員がそろわず、春季南地区予選には紀南との連合チームで出場。1回戦で敗退していた。
だが、この夏は違う。いなべ総合戦では、一回に三鬼の左中間二塁打で2点を先制。いったんは勝ち越されたが、八回同点に追いつくと九回2死満塁から山城の本塁打が飛び出した。
神戸戦は0-3の六回1死二、三塁から小林の犠飛でまず1点。四球でチャンスを広げ、庄司陸人の右越え三塁打で追い付いた。さらに四球の後、1年の柿原が外角高めのスライダーを右中間に運ぶ二塁打で勝ち越した。投げては先発の川端が緩急を駆使して追加点を許さず、八回からはこちらも1年の坂本が後続を抑えて逃げ切った。
選手15人中13人が尾鷲中出身。伊藤大希監督は「能力が高い子たちが集まり、本来の力を出し続けている。苦しみながらも勝つことで選手はたくましくなっている」と実感。主将の山城は「勝ったからといってチームの雰囲気は変わらない。目の前に集中するだけ」と話す。
次戦は22日、津球場公園内野球場で近大高専との3回戦。勝てば目標のベスト8だ。山城は「チームで盛り上がり、チャンスを生かして点を取っていきたい」と意気込んだ。【渋谷雅也】
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