御嶽海(手前)を寄り切りで降す照ノ富士=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月17日、兵藤公治撮影

大相撲名古屋場所4日目(17日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

○照ノ富士(寄り切り)御嶽海●

 横綱・照ノ富士が、休場明けで初日から4連勝とし、早くも単独トップに立った。

 立ち合い直後、大関経験者の御嶽海の押しにやや後退する場面があったが、落ち着いていた。素早く左上手を引くと右から絞って上体を起こし、右のまわしを取らせず寄り切った。

 満身創痍(そうい)で迎えた今場所は、立ち合いが悪かった初日から改善してきてはいるものの、体の状態はまだまだ。3日目の取組後に「四股を踏んでも重さが(体の)真ん中にある時は結構(相手に)押されない。それがまだ入ってきてない」と話し、この日の取組後も「(重さが出てきたか)まだ分からない」と好調の指標である体の軸を感じていない。

 4日目で既に全勝が横綱しかいないというのは、初日にそろって黒星を喫した3大関のふがいなさの表れでもある。報道陣から全勝で単独トップであることを問われても、「あ、そう」と素っ気なく答え、「まだ11日もある」と冷静だ。過去に9度優勝しているが、まだ名古屋の地では賜杯を手にしていない。上位陣が崩れる中、本調子でなくても白星を重ねる横綱の地力の強さが際立っている。【荻野公一】

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