(17日、全国高校野球選手権長野大会4回戦、松商学園5―4松本国際)

 松商学園が誇る「左の代打の切り札」が期待通りの働きをみせた。

 1点リードの五回、1死満塁で山本一翔(3年)が打席に立った。強烈な中前適時打を放ち、結果的に決勝点となった。

 3年ぶりの王座奪還を狙う松商学園の相手は、昨夏王者の上田西を零封で下した松本国際。先制するも逆転を許す苦しい展開だった。

 「スイングしといて」。五回、松宗勝監督に言われた。2者連続安打で相手の先発左腕が交代したからだ。2番手の右腕を前に、押し出し四球で1点を勝ち越したところで出番がきた。

 ファウルで粘るうちに「内野の間を抜こう」という意識になった。内角の直球を振り抜くと、前進守備の二遊間を抜けた。「引きつけて打とう」とベンチ裏でスイングしていたイメージの通りだった。

 昨秋、足や腰を故障した。必死で治し、今はチームにどう貢献できるかしか考えていない。「けがして苦しんだから、今があるのかな」とほっとした表情を見せた。(高億翔)

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