パリ五輪の柔道女子52キロ級で2連覇を目指す阿部詩(パーク24)の最大のライバルとなるのが、地元フランスのアマンディーヌ・ブシャールだ。3年前の東京五輪決勝は熱戦の末に惜敗。雪辱に向け「彼女がいなければここまで成長はできなかった。パリの舞台でもチャレンジできるよう準備したい」と燃えている。

 相手の懐に深く潜り込み、多彩な技を放つ。29歳の試合巧者は2019年11月のグランドスラム大阪大会決勝で鋭い肩車から阿部を撃破。日本が誇る女王に勝った海外選手は、この試合のブシャールしかいない。

 柔道を始めたのは6歳の時。レスリング経験者の父から勧められ、活発な性格で格闘技にはすぐに夢中になった。礼節を重んじる精神にも魅了され「フランスには『柔道は人生の学校である』という言葉がある。互いを尊重する価値観が大好きだ」と力説する。

 祭典が近づき、徐々に緊迫感が高まってきた。6月下旬、阿部について問う記者に対し、関係者が「その質問はNG」と遮る場面もあった。(共同)

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