(16日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 和歌山南陵4―0紀北農芸)

 先発した新立星矢投手(3年)は、先頭打者にいきなり左前安打を放たれた。木元陽捕手(3年)の好送球で二盗は阻止したが、2、3番にも連続三塁打を許すなど2失点。「緊張してしまった」と、立ち上がりを悔やんだ。

 高校では施設園芸科で学ぶ。果樹の世話などの実習で2時間作業をした後でも、練習に取り組んできた。

 昨秋に腰のヘルニアの手術を受け、練習できない日々が続いたが、「決して諦めずに野球に取り組んでくれた」と谷晋作監督。

 クーリングタイム中、監督に「これまでの成長を試合で見せろ」と発破をかけられ、五回以降は無失点。チーム5失策ながら、仲間にももり立ててもらった。球速100キロに満たない投球だが、八回で81球を投げきった。

 「終わってしまったけど、しっかり投げたところを見せられた」。学校生活に戻れば、果樹の世話はまだ続く。(寺沢尚晃)

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