第106回全国高校野球選手権愛媛大会は、7月13日に開幕し、55校の48チームが出場する。一つの目的に向かって力を合わせる、個性豊かな選手らの姿を紹介する。

今治北・徳永陸玖選手

 愛媛県今治市の県立今治北高校野球部の一塁手、徳永陸玖(りく)選手(3年)は、野球の審判員をめざしている。「この一球のストライク、アウト、セーフで大きく変わる。そういう場面に立ち会いたい」

 中学3年の秋、野球部を引退してから弟が所属する少年野球チームの手伝いをした。保護者に交じって練習試合の審判を務めた。「せっかくやるんなら格好良くしたい」

 プロ野球の試合の動画を見て審判に注目した。アウトやセーフ以外にも多くのジェスチャーをしている。「あの動きなんなんやろ」。調べると一つ一つに意味がある。「審判員は格好いい。一番ルールをわかっている」

 チームメートにはアピールプレーの詳細まで解説する。判定に疑問があると、審判員もしている野球部の副島丈義(たけよし)部長(32)に質問する。練習試合で塁審を務めるときは、的確な場所で見て判定することを心がける。

 いずれは、故郷の今治で就職し、愛媛県内で審判員として活動したい。

 「大事な試合で『今日の審判はナイスジャッジやった』と、選手だけやなく、観客にも言ってもらえるような審判になりたい」。負けたチームを応援した観客にも、そう言ってもらいたい。

 チームでは、マネジャー役の「主務」も担う。練習でペアを組む相手を決める役割もあり、夏の大会に向けて団結力をより高めようと心を砕く。

 「野球が好きなんで、どういう形でも野球に死ぬまで関わりたい」(中川壮)

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