(14日、全国高校野球選手権青森大会2回戦 八戸工4―3野辺地西)
彼の辞書に「低反発」なんて言葉はないだろう。八戸工の内沢珀碧(はくあ)選手(3年)は、飛距離が落ちる新基準のバットをものともしない。「球種を絞って、大きいのを狙います」
その通りの打撃で、値千金の本塁打を放った。
野辺地西との2回戦。同点の八回2死三塁で打席へ。相手の変化球が連続してボール球になった。「ストライクを取りにくるのは、真っすぐだ」と読んだ。低めの直球を打ち抜き、勝ち越しの2点本塁打をたたき出した。
178センチ、88キロ。チーム一の大きな体でフルスイングする。「ボールの下半分を、突き上げるようにして打ちます」。逆スピンをかけることで、球を遠くに飛ばす腕がある。
勝利を呼び込んだ1発は、公式戦で初の本塁打だった。記念のホームランボールを手にして、「最高です」と満面の笑みをうかべた。「両親に贈ります。育ててくれた感謝の気持ちです」
気は優しくて、力持ち。そんな、頼もしいスラッガーだ。(渡部耕平)
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