(14日、第106回全国高校野球選手権山梨大会2回戦 駿台甲府6―1甲府商)

 駿台甲府の4番井上和輝選手(3年)が五回表無死二塁の場面で、場外2点本塁打を放った。

 読み通りだったという、真ん中高めの変化球を振り抜くと打球は大きなアーチを描き、右翼席場外に広がる林に飛び込んだ。球場を管理する小瀬スポーツ公園管理事務所によると、飛距離は推定で130メートル以上という。

 高校通算本塁打は「30本くらい」というが、場外弾は人生で初めて。「今まで一番の当たりでした」。打った直後、ボールの行方を見極めてからガッツポーズ。雄たけびを上げた。勝利を決定づけた1発に味方の一塁側スタンドからは大歓声が起こった。

 井上選手は春季関東地区高校野球山梨県大会から金属バットの代わりに木製バットを使う。木のしなりを利用して遠くに飛ばす自らのフォームに合っているといい、他の選手が使う低反発の金属製バットは今大会使っていない。将来プロ野球選手をめざしていることも理由という。

 打球の飛距離は、昨冬に取り組んだ筋トレのおかげで伸びているという。身長183センチの恵まれた体格。体重は一冬を越えて5キロ増の93キロになった。

 甲子園出場を逃した昨夏の決勝が今でも忘れられないという。「自分の長打と打点でチームを、甲子園へ引っ張っていきたい」。(棟形祐水)

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