(13日、第106回全国高校野球選手権長崎大会 開会式)
「不慮の事故で選手としてプレーできず、記録員としてチームをサポートする部員もいます」
開会式のあいさつで、前川謙介・長崎県教育長がある生徒を紹介した。
波佐見高校の野球部で記録員を務める杉山慶さん(3年)。13日は長崎県営野球場の一室から、車いすに座って、選手たちの行進を見守った。あいさつで紹介されたとき、「あっ、自分のことだ」と思ったという。
野球部で三塁を守ってきた杉山さん。1年生だった2022年9月に事故で大けがを負った。約1年の入院生活を送ったあと、リハビリに励みながら学校に通っている。
今年4月から野球部にも復帰し、タブレットを使って、試合のスコアを入力する役割を担う。6月のNHK杯から記録員としてベンチに入った。
復帰を野球部も支えた。コーチが専門病院で方法を学んで、リハビリを支援。同校出身のプロ野球の西武、隅田知一郎投手(24)が激励に訪れ、車いすを贈った。部員たちは「杉山を甲子園に」を合言葉に日々、練習している。
得永健監督(55)は「杉山の復帰で、チームが団結した。試合では、元気になるようなプレーを見せたい」と話す。
予定では、波佐見は14日、長崎工と対戦する。杉山さんは、「みんな意気込んでいる。つけたスコアで、試合経過を分析するなどして一緒に戦いたい」と話した。(天野光一)
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