(13日、第106回全国高校野球選手権岡山大会1回戦 倉敷南12―3玉野)

 九回、2点勝ち越してなお満塁。倉敷南の柚木孝彦(3年)はスタンドやベンチからの「打て!」の声援に気が高ぶった。「ここで打たなきゃ主将じゃない」。とにかく自分のスイングを心がけよう。甘い変化球を迷わず振り抜くと、打球は中堅方向に抜け、走者一掃の二塁打となった。

 投げては序盤、味方の失策などが重なって相手打線につかまりかけた。それでも連打を許さず四回まで3失点。「守りのミスは試合にはつきもの。気にならなかった」。自分のリズムがつかめたのか、五回以降は直球とカーブを軸に二塁を1度しか踏ませぬ好投。仲間たちを鼓舞した。

 チームは岡山大会3年ぶりの初戦突破。「できることをしっかりと試合で出す。やり切れば結果はついてくる」。1年生がたくさん入部してチームが活気づくが、締めるところは自分が締める。そんな気概を持って次戦に臨む。(小沢邦男)

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