(10日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 横浜商0―7立花学園)

 リードを4点差に広げられた六回裏。「焦らず、1点1点返していこう」。そう思っていた矢先、横浜商の主将で捕手、門脇嵩世(3年)は左足をつって倒れてしまった。

 ベンチで応急処置を受けるが、なかなか戻ってこない。一塁側から始まった門脇を心配する声援は、やがて三塁側にも広がった。

 主将として、いつも一番早く練習に来てチームを引っ張ってきた。この日も、先頭打者として右前打を放ち、勢いをつけた。

 「チームの中心として必ず最後まで出たい」と思った。

 20分の中断を経ていったんはグラウンドに戻ったものの、数分後、ベンチに下がりそのまま捕手交代が告げられた。チームは7回コールドで敗戦し、門脇の夏は終わった。

 倒れた直後、対戦相手である立花学園の選手が駆けつけてマッサージをしてくれた。「敵チームにもかかわらず、ありがたい」。後輩たちにノーサイドの精神を示した。

 昨夏ベスト4に進んだ横浜商だが、今年は3回戦で敗れた。「ベスト4、甲子園出場は後輩に託します」(中嶋周平)

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