高校野球の選手や観客の暑熱対策として、8月7日に開幕する第106回全国高校野球選手権大会で最初の3日間を午前と夕方の「2部制」にして開催することが決まった。過酷な状況を知る監督や専門家からは、賛成の声が上がった。
明徳義塾(高知)を率いて甲子園に春夏通算37回出場している馬淵史郎監督は「命に関わる問題。選手に良い環境で試合をやらせてあげたいという(日本高校野球連盟の)考えだと思う」と受け止めた。
過去にはグラウンドだけでなく、試合後の控室や宿舎で選手が脱水症状を訴え、病院に連れて行ったことがあるという。近年の夏の甲子園での気温上昇を実感し、「鍛えているつもりでもやはり過酷」と理解を示す。選手たちは幼い頃から甲子園球場でプレーすることを目標にしてきただけに、「気候がさらに厳しくなればまた考えるべきだが、できる限り甲子園でやらせてあげてほしい」と話した。
夏の甲子園大会の期間中に熱中症対策などについて球児をサポートする理学療法士で組織する「アスリートケア」代表で、大阪電気通信大の小柳磨毅教授も「気温の一番高い時間帯を避けるのは効果が見込めるのではないか」と評価する。その上で「これまでも(夕方に始まる)第4試合の時間帯で、熱中症や熱けいれんで大変だったことは少なかったように思う」と話した。【石川裕士、皆川真仁】
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