(11日、第106回全国高校野球選手権青森大会1回戦 青森中央4-7むつ工)
三度目の正直を果たした。青森中央の工藤克海(かつみ)主将(3年)は、達成感をかみしめた。
中学で2度、野球部をやめた経験がある。1年のときは先輩との関係に悩み、2年で両ひざを痛め、「心が折れた」。
ほかの部活動もしたが、仲間と白球を追う魅力は忘れられなかった。
「高校であきらめたら、後悔する」。青森中央で再チャレンジした。
主将になってからは、積極的に下級生に話しかけ、学年の壁を取り払った。配慮には、中1での経験が生かされている。
守備では、要の捕手。むつ工との試合で、キラリと光るプレーがあった。七回、内野手の一塁への送球が大きくそれた。だが、捕手の基本ですぐ一塁カバーに入ったため、打者走者が二塁に進むことを防いだ。
試合には敗れたが、笑顔を輝かせた。「すばらしい仲間と、大好きな野球をまっとうできました。高校で挑戦してよかった。自分に『よく頑張った』と言いたいです」
中学での挫折を、高校で乗り越えた。その奮闘ぶりは、勝者の名に値するだろう。(渡部耕平)
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