(11日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 報徳学園13―4舞子)

 初戦の難しさを、身をもって感じた試合だった。

 報徳学園の先発マウンドは、今春の選抜大会決勝で先発した今朝丸裕喜。あの時「10」番だった背番号は、この夏は「1」に変わった。大角健二監督は「何が起こるかわからないし、良い初戦にしたかった」と、エースを送り出した。

 だが、立ち上がりから直球を狙われた。一回は1死から中前安打を許し、2死後に迎えた4番に中堅手の頭を越える適時二塁打を許した。いずれも直球だった。

 二回以降も四死球やバッテリーミスも絡み、失点した。5回を投げて被安打8、4失点。「久しぶりにこれだけ打たれた」と反省しつつも、変化球をまじえて毎回の8奪三振と要所は締めた。

 最速150キロ超の直球を持ち、選抜準優勝投手でもある。その直球を狙われたように、相手から研究・対策されることは覚悟の上だ。

 「低めを狙って投げて、浮いた球を打たれた。どんな対策をしてくるかは今日の試合でわかった。その上をいけるように次の試合は臨みたい」

 選抜は2年連続で準優勝。夏となると、第100回大会(2018年)を最後に、甲子園にたどり着けていない。「兵庫でてっぺん取って、甲子園で日本一を取る」。エース番号を背負った右腕の決意は固い。=ベイコム尼崎(大坂尚子)

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