(10日、第106回全国高校野球岩手大会1回戦、盛岡四3-6花巻農)

 三回途中に約1時間、雨で試合が中断した。それでも、盛岡四の小畑類主将(3年)は気持ちを切らさなかった。

 「二回でバントが捕邪飛になり、自分のミスで流れを止めてしまった。絶対にミスを取り返す」。2―1で迎えた五回表1死一、三塁。そう気合を入れて打席に立った。

 初球を積極的に振りにいき、左犠飛に。追加点となった。「本当は速い打球で内野の間を抜きたかった。狙い通りにはならなかったが、なんとか走者を返せた。できは50点くらい」

 盛岡四は学年ごとにリーダーがいる。小畑主将は1年生から務めた。2022年秋にあった1年生の交流岩手県大会では、2―38(5回コールド)の大敗を喫した。「その負けが、良い時も辛い時も頭にあって自分たちを満足させず、引き締めてくれた」

 この日も気持ちを入れて臨んだが、終盤に逆転され、敗れた。試合後、「高校野球が終わってしまったんだなと。もっとやりたかった……」と悔しさをにじませた。

 それでも野球が好きな気持ちは変わらない。「まだ選手で試合に出たい気持ちがある。大人になってからもできたらいい」。野球にはこれからも関わっていくつもりだ。(藤井怜)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。