(7日、第106回全国高校野球選手権西東京大会2回戦 桐朋2―9富士森)

 日米のプロも注目する桐朋、森井翔太郎(3年)の夏は初戦で終わった。

 一回裏、先発投手が富士森にいきなり5点を奪われ、救援でマウンドに。球場に緊張感が漂うなか、2点適時打こそ浴びたが、球速のある直球にキレのある変化球を絡めて後続を断った。

 ただ、初回から大差をつけられる厳しい展開に「仲間のピンチを救おう」と力んだ。その後も課題だった制球が乱れ、4回2/3で77球を投げ、4四死球。高校通算45本塁打を記録した打撃も精彩を欠き、3打数無安打に終わった。

 結局追いつけず、七回でコールド負けした。「長かったようで短かった高校野球が終わったんだ」。その場にしゃがみ込んだ。

 中学生の頃から、「勝利を導けるポジション」と投手に憧れた。だが、制球に難があり、なかなか登板の機会を得られなかった。

 「高校では投げる」と誓い、フォームの改善を重ねた。念願かなって公式戦で初登板したのは1年夏の西東京大会、日大三戦。「自分のピッチングは通用せず、普通に打たれた」。3―15で大敗し、苦いデビュー戦になった。

 だが、その後も練習を重ねて最速153キロの速球を投げられるようになり、今大会、注目される選手の一人に。森井自身も自信を持って臨んだ大会だった。

 試合後、多くの報道陣に囲まれ、こう話した。「次の舞台で通用するようになるにはもっと練習が必要」。米国の大学で野球を続けるか、日本でプロを目指すか、これから考えるという。=府中市民(西田有里)

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