Q:今回の楽曲に込めた思いを聞かせてください

Ayase
「舞台に立つ瞬間の選手の背中も押せたらうれしいですし、自分たちもそういった場面になったときに背中を押してもらえるような楽曲にしようという思いを込めました」

ikura
「選手だったり応援している方だったりの心とも連携できるような歌い方ができたらいいなと思っています。これまで自分が経験として積み重ねてきたものに対する自信を身につけたうえで『よし、夢の舞台に立つぞ』って、パンといく瞬間の胸の高鳴りをちゃんと歌に込めようと思いました」

ことしのパリ大会を盛り上げるYOASOBIの『舞台に立って』は、疾走感のあるリズムとみずみずしさを感じさせる歌詞が魅力です。

Ayaseさんは楽曲をつくるとき、色をイメージすると言います。ちなみに今回は…。

Ayase
「ブルーですね。ちょっと薄めの青色のイメージを持っています。物理的に汗であったり涙であったりということもあれば、もがき苦しみながら何かにたどりつこうとする様は、時代も年齢も関係なくすごく青春的だなと思っています」

Q:夏のオリンピックについて、思い出や印象に残っている場面は?

Ayase
「僕はアテネですね。家族でみんなでテレビに食いついて見ていたのをすごく覚えています。もう歴史的な名シーンでもありますし、それをリアルタイムで見てたのもやっぱすごかったし…」

ことし30歳のAyaseさんが取り上げたのは、2004年アテネオリンピックの競泳で、北島康介選手が金メダルを取った場面でした。

勝った直後のインタビューの「超気持ちいい!」というひと言が注目されました。

ikuraさんも印象に残っているようです。

ikura
「あの時のテーマソング(『栄光の架橋』)と一緒にフラッシュバックします」

5年前にデビューし、今や世界的なアーティストになったYOASOBI。楽曲の特徴は、すべてに原作の物語があることです。

今回題材にしたのは、スポーツを描いた3つの漫画と小説で、そこからイメージを膨らませていったといいます。

ikura
「3つの作品を通じて共通して思ったのは、結果がすごくシビアに出る世界の中で一緒に歩んでくれる人がいたり、そばにいてくれたりする人の存在がすごく大切なんだろうと思いました」

大事にしていることを込めたフレーズ

そして、多くの人に支えられながら目指してきた舞台に立とうと努力する姿は、アスリートもアーティストも変わらないと言うAyaseさん。

その時に大事にしていることをこのフレーズに込めました。

Ayase
「『何度も何度もイメージしてきた』『どんな自分も超えて行ける』『超えてみせる』というところが、ワードだけで拾うと結構シンプルなことを言っているし、割と月並みではあるんですけどここがすごく肝です。

苦しいけど乗り越えた先にいいものがあるかもしれない。自分に自信を持って努力し続けていくことでしかキラキラしたものをつかめないのかもしれない。ほんのちょっとの気付きが救いになってくれる人もいるかもしれないというところを僕は強く今回推したいんです。

今までやってきたことをもう1回イメージし直して挑む瞬間もたくさんあると思う。受験もそうだし、会社のプレゼンもそうかもしれないし、僕らからしたらライブであって、だからそういった瞬間にこの曲を聴くことで、もう1回『よし』と冷静になれたりとか情熱を取り戻せたりとか、何かしらの形でその人の背中を押せるような応援歌。そういう存在になってくれたらすごくうれしいです」

ikura
「何か大きなものに向かって挑んでいくことは毎日の生活の中にあると思うんですけど、、その瞬間にこう『ふっ』と深呼吸をして目を開けたときに『大丈夫。私は今いい風を感じている』というふうに思ってもらい、強く踏み出していってもらえたらうれしいです」

これまで「栄光の架橋」(ゆず)、「GIFT」(Mr.Children)、「風が吹いている」(いきものがかり)など、数々の名曲が大会に臨む日本の選手たちを後押ししてきました。

NHKスポーツテーマ2024、YOASOBIの『舞台に立って』が、パリに挑む選手たちを勇気づけます。

NHKスポーツテーマ2024 
「舞台に立って」 詞・曲 Ayase


無邪気に思い描いた
未来の私の背中を
ひたすら追いかけた
きっと もうすぐ見えなくなる
重なり合う
そう信じている
ここが私の未来だ

数ある中で選んだのは
きっと最初から分かっていたから
これじゃなきゃダメなんだって
誰にも負けたくなかった
しんどくてもひたすら走り続けた
翌る日も翌る日も

勝ち負けがはっきりある世界は
好きだけじゃ生き残れない
いつも結果と成果
遊びじゃない
そんなこと分かってる

でもね 好きだから諦めなかった
このがむしゃらな毎日がきっと
願った結末に繋がっているって
信じている

さあ
待ちに待った舞台に立って
高鳴る鼓動 挑戦の合図
何度も何度も
イメージしてきた
どんな自分も超えてみせる
大きく吸った息を吐いて
もう一度目線を上げれば
かさぶたばっかの毎日も
今に繋がっていると思えた
そうだ夢に見ていた景色の
目の前に立っているんだ

不条理を前に立ち尽くすこともあった
他人は好き勝手ばっかり言うし
もう何のために戦ってんだろ
って分かんなくなって
そんな時も もう一度って
なんとか手を伸ばせたのは
隣で戦い続ける
君がいたから

ずっと
憧れてきた舞台に立って
これまでのこと思い返す
何度も何度も
流した涙の分
立ち上がってきた
大きく吸った息を吐いて
ゆっくり瞼を開けて
踏み出すんだ
会いに行くんだ
思い描いた未来の私に

さあ
待ちに待った舞台に立って
今鳴り響く開幕の合図
何度も何度も
イメージしてきた
どんな自分も超えて行ける
大きく吸った息を吐いて
静かに目線を上げれば
今までのどの瞬間も
無駄じゃなかったと思えた
そうだ夢に見ていた未来に
今私は立っているんだ

そう 無邪気に思い描いた
未来の私はもうそこにいるんだ
今確かに捉えた

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