6日に開幕する第106回全国高校野球選手権群馬大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)では、暑さ対策として、選手や審判委員の深部体温を下げるためのアイススラリー(シャーベット状の飲料)の配布を始める。五回終了時の中断時間も「クーリングタイム」として対策を施す。
熱中症対策には、暑さに体を慣らす「暑熱順化」「水分補給」「身体冷却」の三つが重要とされる。
アイススラリーは、1回戦27試合の各ベンチ入り選手(最大20人)に配布する。1回戦の段階では「暑熱順化」が十分でない可能性があるためだ。試合前、ノック終了後のグラウンド整備中に摂取することを推奨している。試合中グラウンドに立ち続ける審判委員には全試合で配布する。
メーカーによると、群馬大会で配布されるアイススラリーは、微細な氷と液体が混じり合った飲料で、冷却効果が高いとされる。試合前に摂取する「プレクーリング」を施すことで、あらかじめ体内の深部体温を下げることができ、その後の体温上昇を抑制する効果が認められている。発汗量も抑えることができるという。
昨年夏の全国選手権大会でも、大会本部が準備し、選手に配布した。
また、五回終了時には約10分間の「クーリングタイム」を導入する。昨年夏の全国選手権大会で導入した。昨夏の群馬大会でも五回終了時のグラウンド整備と散水で10分の休憩時間を設けたが、今夏は「クーリングタイム」として同じ10分の休憩を取り、選手たちに身体冷却を促す。
試合再開前に準備が必要な場合は、水分補給後にグラウンドで素振りやキャッチボールも認める。
また、今夏は1日に1球場で3試合を行う頻度を減らす。暑い時間帯の試合を減らすためだ。1日1球場3試合が予定されているのは8回(昨夏10回)、2試合予定は16回(同14回)。昨夏は開会式の日に2球場で4試合行ったが、今夏は1球場1試合にとどめた。移動や待ち時間を省き、選手の負担を減らすのが目的だ。決勝は27日午前10時に予定している。
このほか、ベンチ内の飲料は各チームで用意するよう呼びかける一方、熱中症対策のためベンチ裏に経口補水液を主催者側が準備する。
県高野連は「従来の取り組みに加えて、全国での取り組み等を参考に、現時点で導入可能な暑さ対策を取り入れた。選手や審判委員のパフォーマンスに少しでも貢献できれば」としている。(八木正則)
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