写真はイメージ=ゲッティ

 日本高校野球連盟などは18日、今春から高校野球で本格導入された反発性能を抑えた金属製バットの基準に沿っていない製品が、基準内として販売されていたことを明らかにした。販売したのはメーカー5社で、計3351本を自主回収する。

 基準外のバットは、ザナックス▽三共スポーツ▽ハイゴールド▽イソノ▽ボルテカ――の5社が販売し、中国の工場に生産を委託していた。新基準では、打球部の厚さを従来の3ミリから約1ミリ厚くすることで反発性能を抑えている。基準外の製品は使用が認められる製品安全協会の「SGマーク」が付いているにもかかわらず打球部の厚さが3・5ミリ程度しかなく、反発力が高くなって飛びやすくなっていた。

 当初のサンプルはSG基準を満たしていたが、量産体制に入って異なっていたという。製造元であるSSプロダクトの波多陽祐社長は「監督責任は弊社にあるが、工場側が品質管理を甘くみていた」と謝罪した。

 3月の第96回選抜高校野球大会に出場した5校が持ち込んだ中にもこの基準外のバットが含まれていた。一部チームの使用も確認されたが、大会の記録は有効とする。

 新基準の低反発バットは日本高野連が投手の受傷事故防止を目的に導入。経済的な負担を考慮して新基準バット3本を各加盟校に配布した。このうち基準に適合していなかったバットは計2510本あり、日本高野連はこれらを使用禁止にするとともに交換する準備を進めている。【長宗拓弥】

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