(2日、第106回全国高校野球選手権福岡大会1回戦 西南学院8―1福岡西陵)

 「テンポよく投げて打ち取ろう」。四回表、無死満塁のピンチで継投した福岡西陵の平山輝(ひかる)投手(3年)はそんな気持ちでマウンドに立った。

 3点先行され、これ以上失点したくない。緊張したが、直球とカーブをうまく織り交ぜ、打者2人を打ち取った。3人目も詰まらせたが、転がった場所が悪かった。三塁内野安打となり、2失点。制球が乱れ、続く五回も3点を失った。

 そこから気持ちを切り替えた。「ストライクを取ることだけに集中しよう」。テンポを意識し直し、六、七回を無安打に抑えた。

 状況を分析し、高ぶる気持ちを抑え、できることを徹底する――。試合には敗れたが、「考える力」を発揮して立ち直った。小学生から続けた野球で身についた財産、だと思う。(中村有紀子)

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