ジャパン・オープンでフルセットの末に勝利し、ガッツポーズして喜びを爆発させる桃田賢斗選手=東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで2019年7月26日、喜屋武真之介撮影

 バドミントン男子の元世界ランキング1位で世界選手権2連覇の桃田賢斗選手(29)=NTT東日本=は18日、東京都内で記者会見を開き、日本代表からの引退を表明した。記者会見での主な一問一答は次の通り。【高橋広之】

 ――日本代表引退の理由ときっかけは。

 ◆2020年1月の交通事故から、苦しいことがたくさんあった。自分の中で思うようなプレーを、自分なりに試行錯誤してきたつもりだが、自分の思い描くプレーと、今、自分ができることのギャップがしんどかった。世界一をまた目指したいというところまで行けないと判断した。まだ、自分が動けるうちにジュニアの選手やバドミントンをしている人たちと、もっともっと羽根を打つ時間がほしいと思い、引退を決意した。

 ――代表を引退しようと決断した時期やきっかけは。

 ◆事故以降、ずっと厳しいなと感じていた。2月のアジア団体選手権に参加し、自分の中で今、日本代表の引退を決断しても後悔することはないと思った。

 ――事故以来、試行錯誤を繰り返していた。

 ◆目の手術を1回してから、思うように見えない部分もあったりとか、思うように体を動かせない部分だったりとか、普段の練習で疲れないぐらいの練習量なのに、すごく疲労を感じた。そういった中で、僕なりにトライはしたんですけど、ちょっと世界のトップの人たちと戦うレベルには厳しいかなと思った。

 ――14年に初めて日本代表に選ばれてからこれまでを振り返り、感じることは。

 ◆代表に選んでいただいてから約10年間、ほとんどがしんどいことだらけだったが、すごく貴重な経験をした。とても充実した代表人生だった。

 ――オリンピックとはどういう存在だったか。

 ◆バドミントンを始めてから、オリンピックというのは、あこがれの舞台だった。出場できたのはすごくうれしかったし、オリンピックで結果を出せなかったっていうのは、すごく悔しい気持ちでいっぱい。日本代表を引退しても、オリンピックを目指さなくなるということに関して、今は後悔だとかというのはない。

 ――リオデジャネイロ五輪前の出場停止期間や東京五輪の延期を発表される前には交通事故がありながらも、世界で戦い続けてこられたっていうのは。

 ◆僕自身、たくさんの人に迷惑をかけて、支えてもらい、ここまで何のストレスもなく、(競技を)続けられた。これまでサポートしてくれた人のおかげで、長いようで短い、でもトータルしてみたら、すごく幸せな時間だった。

 ――代表として最後となる4月末からのトマス杯(中国・成都)ではどんなプレーを見せたいか。

 ◆自分の集大成なので、貪欲にコートの中を動き回る泥臭いプレーを見てほしい。

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