米プロバスケットボールNBAは17日、スポーツ賭博をしている知人に自身の体調に関する情報を漏らしたなどとして、トロント・ラプターズのジョンティ・ポーター選手(24)を永久追放処分にすると発表した。ポーター氏は賭けの対象になった試合で体調不良を理由に短時間しか出場せず、知人はポーター氏の成績が一定基準を下回る方に賭けていた。
NBAの発表によると、ポーター選手は今年3月20日の試合を前に、NBAを巡るスポーツ賭博をしている知人に自身の体調に関する情報を漏えいした。別の知人がオンラインの賭博サイトで、ポーター選手の成績が基準より下回る方に8万ドル(約1234万円)を賭けていた。
ポーター選手は体調不良のため、出場時間は3分にとどまった。知人は110万ドル(約1億6970万円)の払戻金を得るはずだったが、賭博業者や監視団体に不審な賭けと判断され、払い戻しは凍結。NBAが調査に乗り出していた。
ポーター選手自身も今年1~3月、知人のアカウントを利用して、NBAの13試合以上を対象に賭博をしていた。自身が出場した試合に賭けた例はなかったが、5万4094ドル(約835万円)を賭けて7万6059ドル(約1174万円)の払い戻しを得ていた。
NBAのシルバー・コミッショナーは「ファンやチームのため、競技の公正さを守ることが最も重要だ。現行の規制が十分なものなのか疑問が生じている。今後も関係者と緊密に協力していく」と述べた。
米国ではスポーツ賭博は40近い州で合法で、NBAも試合の勝敗だけでなく、各選手の得点やリバウンド本数まで賭けの対象になっている。各チームには、異常な賭けがないか監視する専門の部門があり、第三者の監視機関もある。選手らが賭博に関与すれば、追放や契約解除、出場停止などの処分対象になる。【ワシントン秋山信一】
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