ハンガリーで開かれているパリオリンピック予選シリーズは、最終日の23日、スポーツクライミング、女子ボルダー&リードの決勝が行われ、日本からは、東京オリンピック銀メダリストの野中選手がただ1人、8人で争う決勝に進みました。

野中選手は「課題」と呼ばれるコースを登った数を競う得意のボルダーで、出場選手の中でただ1人、4つの課題すべてを完登して前半を終えてトップに立ちました。

1回のトライで登った高さを競う後半のリードでは、中盤で手を滑らせるミスが出て落下したものの、合計156ポイントで2位に入りました。

優勝は、アメリカのブルック・ラバトゥ選手でした。

この結果、野中選手は予選シリーズ2戦の合計で2位となり、日本の残り1つの出場枠を獲得し、2大会連続のオリンピック代表に内定しました。

パリオリンピックのスポーツクライミング女子ボルダー&リードは、すでに去年の世界選手権で森秋彩選手が代表に内定していて、野中選手と2人が出場してメダル獲得を目指します。

野中 “気持ちは準備万端 さらにレベルアップした姿見せたい”

2大会連続のオリンピック代表に内定した野中生萌選手は「内定してうれしい。きょうはボルダーは、すごくよい流れでいけたが、リードはもっと登れたなという後悔がある。まだできるというポジティブな悔しさなので、日本に帰って、たくさんトレーニングしたい」と話しました。

そのうえで、パリオリンピックに向けては、「この大会で、他の選手からたくさんモチベーションももらい、もっと強くなりたいという思いもあるので、パリへ向けて気持ちは準備万端だ。さらにレベルアップした姿をお見せしたい」と意気込みを話しました。

屈指の筋力とダイナミックな登りが持ち味

野中生萌選手は、東京都出身の27歳。

クライミングがオリンピックで初めて実施された東京大会の銀メダリストで、女子選手の中では、屈指の筋力と運動能力の高さを生かしたダイナミックな登りが持ち味です。

9歳から競技を始め、パワーが求められるボルダー種目を得意としていて、2018年には、ワールドカップで年間総合優勝を果たしたほか、2023年のワールドカップでも、5年ぶりに優勝を果たし、年間ランキングで2位に入りました。

そして、パリオリンピックの出場権をかけた2023年8月の世界選手権では、ボルダー&リードで決勝に残ったものの7位に終わり、続く2023年11月のアジア予選も2位となり、いずれもオリンピックの代表内定を逃していました。

最後の出場枠をかけた予選シリーズに向けては、課題とするリードの強化を進め、2024年5月の第1戦では日本選手トップの4位に入っていました。

東京オリンピック銅メダリストの野口啓代さんが引退してからは、日本の女子を引っ張る存在となっていて、パリオリンピックでは2大会連続のメダル獲得に期待がかかります。

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