第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の地方大会が22日、始まった。沖縄では3球場で1回戦6試合があり、八重山商工と豊見城の甲子園経験校同士の対戦は、八重山商工が九回に逆転勝ちした。
北・南北海道では地区ごとの試合が始まり、この日は計7試合が行われた。
7月13日までに全ての地方大会の試合が始まり、49代表の座をかけた戦いが本格化していく。
選手宣誓の小禄主将、体現した野球の「原点」
安打で喜び、次の塁を果敢に狙ったユニホームは泥だらけだった。沖縄大会1回戦、小禄の主将・仲里円来(まるく)は試合中も笑みを絶やさなかった。
「父親とのキャッチボールから始まった野球。小さい頃から夢に描いた甲子園。テレビに映る先輩方のプレーを見て、手に血がにじむまで握ったバット。必死に野球に打ち込んだ日々」
開会式の選手宣誓にそんな言葉を詰め込んだ。特に思い入れがあったのが、父・謙信さん(52)とのキャッチボールだった。2人の兄の影響で2、3歳の頃からボールに親しんだ。父とのキャッチボールは「一番楽しかった野球の原点」だ。
大役を果たした後、9番二塁で先発した。試合には敗れたが、一時は同点とする適時打を放つなど、2安打1打点3盗塁。全4打席で出塁し、グラウンドを駆け回った。
「練習がきつくてやめたくなる時もあったけど、やっぱり高校野球はかけがえのない青春です」。試合後は涙をこらえながら、そう言った。
それぞれが多くの壁にぶつかりながらも乗り越えて迎えた集大成の夏。全チーム、全選手が「原点」を胸にめいっぱいプレーできますように。=沖縄セルラー(大坂尚子)
イチローさん指導の宮古が快勝
昨夏の沖縄大会で公立校で唯一4強入りした宮古が快勝した。2年生エースで4番打者の砂川結貴は6回を内野安打1本に抑え、無失点。打っても3安打を放った。
宮古には昨年12月、元大リーガーのイチローさんが指導に訪れた。砂川結はキャッチボールの相手に指名され、「体が一塁側に倒れないように、体を縦に使うことを教えてもらった」。指導を受けたことでチーム全体の意識も変わり、まとまりがでてきたという。宮古島から初の甲子園に向けて一歩を踏み出した。=Agre北谷
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